Xiaomiがオープンソースの AI コーディング助手「MiMo Code」をリリース — 200ステップ超の長時間タスクで Claude Code を上回る

スマートフォン大手の Xiaomi が 6 月 10 日、ターミナル上で動作する AI コーディング支援ツール「MiMo Code V0.1.0」をオープンソース公開した。内部ベータテストで 576 名の開発者を対象に実施した検証では、Anthropic の Claude Code よりも特に 200 ステップ以上の長時間・複雑なコーディングタスクで高い成績を収めたという。正直に言うと、このニュースを見たときは「中国企業が本気でコーディング支援に来たな」という感じがした。

同時に、Xiaomi の主力 AI モデル「MiMo-V2.5」への無料アクセス権もバンドルされている。登録なしで即座に使い始められるのが特徴だ。MIT ライセンスのもとで GitHub で公開されており、macOS・Linux ではターミナルコマンド一発でインストール可能。Windows では npm でのセットアップになる。

「長時間の対話で AIが忘れてしまう問題」に真正面から取り組んだ

AI コーディング支援ツールを使ったことがある人なら気づいているはずだ。コンテキスト(会話履歴)が積み重なってくると、最初の方で決めた設計方針や命名規則などが薄れて、何度も同じ説明を繰り返さないといけなくなるってやつだ。つまり、AI が「プロジェクト全体の状況」を忘れてしまうんである。

Xiaomi の MiMo チームが指摘するように、これを単なる「圧縮」で解決しようとしても限界がある。そこで彼らが採用したのが、SQLite FTS5 による全文検索を駆使した「クロスセッション対応のメモリシステム」だ。4 層構造で情報を管理している:

  • プロジェクトメモリ — MEMORY.md ファイルに永続化された設計方針やルール
  • セッションチェックポイント — 各作業セッションの状態スナップショット
  • スクラッチノート — 一時的なメモと思考ログ
  • タスク進捗ログ — 各タスクの実行結果と判定内容

ここで地味にすごい工夫が「チェックポイント専用の副エージェント」の存在だ。主要なコーディング作業を進める AI が走り書きに割く時間を減らすため、別の AI が並行して「今まで何が決まったか」「どこまで進んだのか」を常に書き込んでいく。建築工事に例えるなら、現場監督(主エージェント)が工事を進める傍ら、建築家(副エージェント)が設計図を常にアップデートしている状態。コンテキスト上限に達しても、その設計図から作業環境を再構築できる仕組みだ。

性能面での主張と検証の難しさ

ベンチマーク結果 — Claude Code との比較

Xiaomi が発表した数字を見ると、MiMo Code + MiMo-V2.5-Pro の組み合わせで Claude Code + Claude Sonnet 4.6 を下記の三つのテストで上回ったという:

ベンチマーク MiMo Code Claude Code 差分
SWE-bench Verified 82% 79% +3%
SWE-bench Pro 62% 55% +7%
Terminal Bench 2 73% 69% +4%

ただ、ここで気になることがある。OpenAI の GPT-5.5 や Google の Gemini CLI との比較がないのだ。Claude Code 一社のみを名指しでベンチマーク対象にしている。なぜか? 独立したターミナルベンチマーク「Terminal-Bench 2.0」の公式リーダーボードを見ると、OpenAI の Codex CLI(GPT-5.5)が 82.2% という、MiMo Code の自己報告値 73% よりはるかに高い。つまり、MiMo の主張に「都合のいい比較相手を選んでいるのでは」という疑いは払拭できない。

ただし、興味深い点もある。Xiaomi が実施した「開発者 576 名による相互評価」だ。実際のプライベートリポジトリ 474 個で 1,213 ペアを比較させたところ、200 ステップ未満の作業では両者がほぼ五分五分なのに対し、200 ステップを超えると MiMo Code の勝率が 65% 以上に上がったという。つまり、長時間の作業ほど Xiaomi の「記憶の仕組み」が効くというのは、少なくともそのシナリオでは本当かもしれない。

料金とアクセス方法 — 正直ここが強い

デフォルトで無料の MiMo-V2.5 にアクセス可能

MiMo Code をインストールすると、「MiMo Auto」という無料チャネルが自動で有効になり、Xiaomi のフラッグシップモデル MiMo-V2.5(百万トークンのコンテキストウィンドウ搭載)に無料でアクセスできる。ただし「期間限定」という但し書きは付いているので、永遠無料ではないだろう。だが少なくとも最初は、登録なしで即座に始められるのは大きい。

有料プランの価格設定も破格だ。MiMo-V2.5 は入力トークン 100 万個当たり $0.40、出力は $2.00。これは OpenAI の GPT-5.5(入力 $5.00、出力 $30.00)と比べると、とんでもなく安い。もっと高性能な MiMo-V2.5-Pro も、256K トークンまでなら入力 $1.00 / 出力 $3.00。超長コンテキストを多用するなら、Claude Opus 4.8($5.00 / $25.00)よりも断然経済的だ。

さらに、DeepSeek や Moonshot(Kimi)、Zhipu(GLM)など、他社のモデルを指定することもできる。OpenAI 互換 API を使えば、自分が契約しているモデルをそのまま指定可能。つまり「Xiaomi のインフラに乗らなきゃダメ」という縛りがない。この自由度は重要だ。

セットアップは本当に簡単

macOS / Linux ユーザーなら、以下のコマンド一つで完了する:

curl -fsSL https://mimo.xiaomi.com/install | bash

Windows ユーザーは npm 経由:

npm install -g @mimo-ai/cli

インストール後、設定ファイル一つ弄らずに使える。Claude Code からの移行なら、MCP サーバーやカスタムスキルも自動でインポートして