Terminal Mode by Even Realities を実際に試してみた
ProductHuntで見かけた「Terminal Mode by Even Realities」。名前だけ聞くと、かなり技術的でハードルが高そうな印象を受けたんですが、実際に触ってみるとそうでもない。むしろ、VR・メタバース周辺の開発に関わる人にはかなり実用的なツールだと感じました。
このツールの正体は、VRやメタバース環境でターミナル操作を実現するためのプラットフォーム。つまり、イマーシブな3D空間の中で、従来のコマンドラインインターフェース(CLI)の機能を使えるようにしたものです。聞いただけでは「なんでそんなことが必要なの?」と思うかもしれませんが、VR開発やメタバースクリエイターの立場になると、その価値が一気に見えてきます。
どんなことができるのか、具体的に見てみよう
VR空間内でのコマンド実行
従来、VR環境で複雑な操作をするには、ヘッドセットを脱いでPCのターミナルに戻る必要がありました。Terminal Modeを使えば、その往復が不要になる。VR空間にいながら直接ターミナルコマンドを打ち込める。地味にすごい。
自分が試した感じだと、テキスト入力のUIが思ったより直感的で、VRコントローラーでの入力もそこまでストレスがありませんでした。もちろん、キーボードほど快適ではないですが、「ちょっとした設定変更」レベルなら十分実用的です。
メタバース開発の効率化
メタバースプラットフォーム(UE5のPixelStreamingとか、一部のメタバースエンジン)と連携することで、開発作業の多くをVR空間内で完結させられます。これは特に、完全にイマーシブな環境で作業したいクリエイターにとってはかなり便利。
例えば、建築系メタバースの構築をしている場合、ワールド内のスクリプト実行、データベースへのクエリ、サーバー設定の変更などを、視点を移さずにこなせる。わざわざVRを脱ぐ手間がないぶん、フロー状態を保ちやすくなるんです。
主な機能を整理するとこんな感じ
| 機能 | 詳細 | 実用性 |
|---|---|---|
| VR内ターミナルUI | イマーシブな空間で標準的なCLI操作が可能 | ★★★★☆ |
| 複数プラットフォーム対応 | Meta Quest、HTC Vive、PlayStation VRなど主要ヘッドセットに対応 | ★★★★★ |
| リモート接続機能 | リモートサーバーへのSSH接続が可能 | ★★★★☆ |
| カスタマイズ可能なインターフェース | ターミナルの表示サイズ、配置、色などを自由に設定 | ★★★☆☆ |
| スクリプト自動化対応 | よく使うコマンド列をプリセット化して時短 | ★★★★☆ |
日本のVRクリエイターにとってのメリット
開発効率が実感できるレベルで上がる
正直、日本のメタバース開発スタジオで本格的に使っている事例はまだ少ないと思います。だからこそ、今のうちにキャッチアップできれば、差別化のポイントになるかもしれない。特に、高度なVR体験を求める企業案件に携わっている開発チームなら、導入検討の価値は十分あります。
自分だったら、こういう場面で使いたい。建築VR、ゲーム開発の最適化タスク、産業メタバースの運用保守業務。ヘッドセットを脱がずに作業できるってのは、特にフロー状態が重要な創作作業では大きい。
日本語対応は微妙
ここが正直な弱点。UIの日本語化は限定的で、ドキュメントもほぼ英語。技術系の人なら問題ないですが、エンジニア以外のクリエイターがチーム内にいる場合は、初期導入時にそれなりのハードルがあります。
コマンド自体は英語が基本ですから、その点は変わりませんが、設定画面やチュートリアルが日本語化されると、もっと導入しやすくなるんだけどな…というのが本音です。
料金プランと実際のコスト感
- 料金体系:現在ベータ版でアーリーアクセス提供中。最終的な価格設定はまだ公開されていない状況
- 無料トライアル:ProductHunt経由でのアーリーアクセスは無料で可能(限定的)
- 日本語対応:なし(技術的な部分のコマンドに関しては日本語化予定なし)
- 支払い方法:今後サブスクリプション制の可能性が高い
ベータ版の段階なので、まだ商用化前です。最終的には月額制になると予想されますが、他のVR開発ツール(例:Unreal Engine)と比較すると、おそらく数千円~数万円のレンジに収まると思われます。正式版の発表を待つ必要がありますね。
使い始めるには、こんな流れで
興味があれば、ProductHuntのページからアーリーアクセスリクエストをするのが第一歩。対応するVRヘッドセットがあれば、ベータ版を試すことができます。
実装的には、既存のVR開発環境(Unreal Engine、Unity)との組み合わせを想定しながら進めるといいでしょう。単体で動くツールというより、VR開発パイプラインの一部として組み込む形になると思います。
同じような領域で競合するツールとしては、VR内での管理ツール(例:Immersed VR Workspace)がありますが、Terminal Modeはあくまで開発者向けで、技術的な深さが違う。単なるVRワークスペースじゃなく、実際の開発作業を加速するための専門ツールというポジションです。
最後に
Terminal Mode、実際に試してみた感覚としては「なるほど、こういう使い方があるのか」という発見があるツール。VRやメタバース開発に関わっている人で、効率化の余地を感じている人には、本当に試してみる価値があります。
ただし、日本語対応の弱さと、まだベータ段階という点を考えると、今すぐ本運用に入るのではなく、スキルアップや先行投資としての位置づけが現実的。VR業界の進化速度を考えると、こういった新しいツールの動向